世界観とストーリー
21世紀、人類の文明は遺伝子技術戦争によってほとんど滅亡した。
遺伝子技術戦争では、目に見えて派手な破壊活動や殺戮などは行われなかったものの、
第二次世界大戦の比にならない損害を人類にもたらし、
結果的に世界人口は0.2%ほどに減少。人類の文明は原始時代同等レベルまで回帰した。

しかし、26世紀には世界的に人口の回復傾向がはじまっている。
人口の回復には、人類を資源とするための竜人族の意思が反映されており、
人類が残した遺伝子操作技術により旧人類は復活させられていることが判明。
つまり、実は大地に限らず現存のほとんどの人類は旧人類のクローンやその子孫である。
竜人族によればこれら人類滅亡&復活の歴史は数千万年前から幾度となく繰り返されているという。

遺伝子技術戦争とは、それまでの軍事などの物理的な破壊を主とした戦争とは異なり、
他国を内側から侵食、衰退させ制圧、支配するロシアの遺伝子操作技術プロジェクト
「ダイノストーン計画」を端に発した全世界的な人類間の対立である。
ダイノストーン計画の全容は、まず対立する国の産業、経済に入り込み、
主に食品、医療、福祉のサービスを介して敵対国の人類を水面化で遺伝的に少しずつ操作し、衰退させる事から始まる。

第一段階として、まず知能を減衰させる。
そして戦闘意欲、就労意欲、子孫を残す意欲の減衰、
さらには精神病を蔓延させ、敵対国の国力を低下させ経済を衰退させる。
第二段階で外国人受け入れからの多国籍化などの政治的介入を行い、
敵対国を滅ぼさず国土の侵略も行わずに実質的支配下に置く事で計画は完了する。
ダイノストーン計画は全て水面化で行われ、侵略自体に敵対国も他国も気づかないまま行われる。
計画が露呈しない限りにおいては侵略達成後も自然な経済の成り行きの結果にしか見えず、
むしろ衰退する国を延命させて助けた強い国という立場を取ることができ、
倫理に反していると国連からの批判なども受けず完了するはずのプロジェクトであった。

しかし、ある科学者の亡命によりこの計画が露呈し、
遺伝子操作技術の流出とともに水面化でなく露骨にこの技術を使用した国同士、企業間同士の対立が世界中ではじまる。
その後、自国の物であっても流通する食品、医療、福祉などのあらゆるサービスの信用不振が全世界的に一斉に広がり、
自身で消費する物は自身でのみ生産するという、自給自足の観念が社会通念となり
産業革命によってもたらされた爆発的な人類文明の発展は終焉を迎え、人類は狩猟農耕時代へ先祖帰りした。
「ダイノストーン計画」から数世代後の人間以降はすでに、車などのあらゆる機械を使用した事がなく、
旧人類の残した不気味な異物として忌避する者も多い。

最初に「ダイノストーン計画」の標的になったのは日本である。
日本人の国民性がこの計画に適していると考えられたほか、
アメリカ合衆国等の巨大民主主義国家への牽制の拠点として、またアジア諸国への侵略の足がかりとして、
地理的な観点からも日本は重要視され、「ダイノストーン計画」は実行された。
しかし、遺伝子操作技術の流出による世界混乱により計画は途中で放棄され、
遺伝子操作技術の本来の使い道である古代生物の復活がはじまる。

日本人はこの地を放棄し世界に散らばり、
日本列島は巨大な古代生物の闊歩する荒れ地と化した。
現在は立入禁止区域となっているが、大地たちは遺伝子操作技術の重要な秘密の眠る施設が
この地にあるという話を海賊一行から耳にし、日本を目指す事にした。
続く(続きはコミック版にて)





